ぼくのなつやすみ
今更夏休み。
盆休みなどない世界。
これでは秋休みではないか。
いやセミが残業していたからまだ夏でいいのか?
友人の誘いで神社から祭まであちこちに出向いてみたが――普段の生活圏から離れただけでなにもかもが珍しく見える単細胞故か――とても楽しかった。
休日の朝など、再度悟りの境地を目指す為に精神統一として二度寝をするものであるが、福岡では健康的に予定時刻通り起きて活動を始めるという個人的に難易度の高いことすら達成できてしまった。
今日から僕もカントさん、と思ったが帰るとナマケモノに退化した。さようならカントさん。
この夏季休暇を機に書こうと思っていた小説はどっかいった。
しかし素晴らしいところだ福岡は。
寺・神社の空気に心洗われる日々。特に宗像大社の池の鯉とか癒されましたよ。まーもうかわいんだからもうこの鯉ちゃんは、えぇ? _(。゚⊿ 」∠)_
夕日が沈む光景を目に焼き付けることもできた。幻想的な雰囲気というのはこうも雇用労働を基本とする市場経済から抜け出したくなるものなのか。
ただ夕焼けは如何せん写真だと感動が薄い。
そこで感覚に訴えかける印象派か小説の出番なのかもしれないが、それができる文才が沸いて出てこないものかと神社巡りの際はそればかり祈っていた。商売繁盛や縁結びの神に頼むのもお門違い甚だしいが……
詰まる所鯉ともつ鍋と自然と神社と博多ラーメンというわけだ。
また行ってみたい。
そういえば先月、大井競馬場で東京真夏の蚤の市(真夏の東京蚤の市)というものが開催されていまして。
北欧雑貨だけでなく焼き菓子からてぬぐいまで。雑貨雑貨がザックザクで掘り出し物が多くて楽しかった。普段の季節とは違う時期に開催されたのでどんなものかと思ったが、天気に恵まれたこともあって一日潰れた。
特に将来開きたい雑貨屋にこれをアンティークとして……なんて妄想もできるから最高だ。11月に通常の東京蚤の市が行われるからそれも今から楽しみ。
〆切が近いですよ。
嗚呼恐ろしい恐ろしい。〆切たる悪魔は今月末という冷酷な現実を突きつけて、一文字もかけていないどころかネタすら沸いてこない私を嘲笑しているに違いない。
多分にこれを書けて小説を書けないのはいよいよもって加齢が想像力を搾取しているためだろう。
小説休暇をくれぇ (:3_ヽ)_